この春から就職する方は、長い学生生活を終えていよいよ社会人になりますね。そして、社会人になると同時に奨学金の返済が始まるという人は不安でいっぱいになっているかと思います。
返済をしながら生活できるのか、果たして完済できるのか。
この奨学金が人生初の借金だという人がほとんどだと思いますが、そんな私と妹も貧乏家に生まれたので当然のように奨学金を借りています。私は奨学金で妹は学費ローンですが…。
とてつもなく返済に苦労しましたが無事に完済しました。そんな体験談をつづってみます。
高校の学費を奨学金で借りました
私の場合は、高校に入学をしてすぐに奨学金を申込みました。その理由は母のこのひと言「小遣い代わりに申し込もう」という言葉。
これ、今となっては「何て余計なことしたんだ!」と本当にイライラします。
だって、奨学金なんて小遣いじゃなくて借金ですからね…。高校生なのに全く小遣いも持てない私を見かねて母は決断したんでしょうけど、普通に学費だけ支払っていればその後苦労なんてしませんでした。
借りた金額すらよく覚えてなく、ただ月々1万3千円ほど口座に振り込まれていたのを思い出します。そして、このお金は結局家の生活費に充てられていたので、私は結局お小遣いなんて持てませんでした。
20歳から奨学金の返済を始める
私は親の離婚もあったり生活費を稼ぐために高校を中退し、通信制へ転校しています。
奨学金は卒業後から返済が始まるので、高校を卒業した20歳のころから返済が始まりました。17歳のころから正社員として働いていますが、お給料の大半は実家の生活費や返済に充てているのでもちろん貯えもゼロ。
奨学金の月々の返済額は最初は1万円台だったと記憶していますがやはり厳しくなり、相談をして8千円程度を何とか支払っていたと思います。
日本学生支援機構はその当時は「日本育英会」という名前で、今のシステムとは全く違い、「学費を支援してもらっている」という感覚でしかありませんでした。
今は返済が遅れれば、オペレーターから「支払ってください」と電話が来ますが、昔は違いましたよ。
困った時に電話相談をすると優しいおばさんが受け答えをしてくれて、支払えない理由を書いては猶予をもらったり返済額を減らしたりして、何度もピンチを救ってもらいました。
奨学金返済が困難な状況に
20歳から25歳の間に、実家の借金をどんどん背負うようになった私は、給料のほとんどが返済でなくなるようになっていました。
そんな中、奨学金なんて心底払えない状況になりましたが…。
それでもあのおばさんを困らせてはいけない、そう思い、最低の返済額に(確か3千円ちょっと…)してつないでいた時期がありました。本当につらかったです。
25歳直前、借金が膨れ上がってしまい(なんと500万円…)、これはもうダメだということで一大決心をして、私は1人で上京をしました。田舎では稼げないからです。(ちなみに23歳で結婚をしているので別居をしています)
めちゃくちゃな人生になりましたが、一人必死に働いて働いて、借金と奨学金の返済、さらに実家への仕送りをし続けました。
関東は家賃が高い!
自分の生活費は超ギリギリ最低ラインを辿っていたけど、2年間頑張ったおかげで借金完済、奨学金もかなり支払うことができました。
その後30歳になり子供が生まれたあともちょこちょこ返し続けてしっかりと完済できました!
妹は専門学校のお金130万円を借りる
こんな親と私の姿を見て育った妹は、当然のように進学なんて諦めていました。
高1の頃からバイト三昧だった妹ですが、そのままそこに就職しようかなと言っていたのを聞いて「諦めてはいけない」と進学を勧めた姉の私。
しかも関東に私は住んでいるので、妹の居候先になろうと考えて私と夫(夫と仲直り、そして関東に追いかけてきました)はみんなで住める家に引っ越しました。
そのタイミングで母は再婚をするために引っ越し、実家は見事に解散状態に(笑)
そして妹は私の家に2年暮らしながら学校とバイトの日々を送り、就職をするために一人暮らしを始めます。
学費ローンの支払いは、できるだけ早く完済させるために月額が2万円以上、ボーナス払いもしっかり設定していたようです。
そして妹の家賃も高い!関東で暮らすのは本当に大変。
27歳ごろまで返済していたようですが、妹もちゃんと完済しました。
私に「お金を貸して」という事はただの1度もなく(きっとないと思われていた)、あの親から生まれた子供とは思えないほど立派な社会人になったのでは?と思います。
奨学金の返済シミュレーションをして不安をなくす
私が「早く完済をしよう!」と思った時に書いたのが返済シミュレーションです。自分はいくらを何年と何ヶ月かけて、いくらづつ支払えばいいのかをまずはきっちりと把握することで不安がひとつづつ解消します。
■奨学金貸予・返還シミュレーション
日本学生支援機構HP内にある、奨学金貸与・返還シミュレーションというものがあります。自分が借りた金額と返済方法を選択すると、それに応じた返済回数と返済額が表示されます。
その計画通りに返すことができれば見事完済となる訳です。
もしその返済額が厳し過ぎる金額だったら、自分の給料と生活費などを照らし合わせてよく検討すべきです。
奨学金の返済を終わらせるためにやるべきこと
- 少し無理をしてでも早く終わる方を選択する
- 銀行引き落とし手続きをしっかりと行う
- 毎月「あと何回」と数える
- ほかの借金を作らない
- 自分だけではないことを忘れない
奨学金だけではなく、借りたお金はできる限り早く返済することが鉄則!何が何でも返すぞ!という意気込みを絶対に忘れないでほしいです。
こんな私が言うのも何ですが、途中であきらめないでください。
全部親に出してもらえる人を見ると羨ましいを通り越して、悔しくて仕方がない気持ちでいっぱいになると思います。「なんで自分ばっかり」と思います。
でも、こんな私のようにお金で苦労をしている人は世の中いっぱいいます。
借金は必ず終わりが来ます!奨学金は借金じゃないって思うかもしれないけど、ぶっちゃけ借金です。
だから借りたものは返さないと後が大変です。
もしどうしても無理だと思ったら、すぐに日本学生支援機構へ電話をしてください。放置するのが1番やってはいけないことです。
延滞が3ヶ月続くとブラックリスト(個人信用情報機関)に登録されます。これ、本当に大変なことなので甘く見てはいけません。
生活が大変な時は「修行だ」と思うのが1番です。ほかの人よりもうんと、精神的にも強くなるし社会の裏側の勉強になります。

まとめ
私の体験談によってより不安にさせてしまったかも知れませんが、返済中の気苦労は色々あるけど前向きに!完済に向かってほしいです。
私の大きな借金と返済についても書いてしまいましたけど、色々あったけど元気に生きています(笑)
大学の学費のために奨学金にお世話になった人は、大きな金額を見て本当に辛くなると思います。それでも、コツコツ払えば必ず完済という日が来るのを絶対に忘れないでほしいです。